アジア杯・日本4強入り

サッカーアジア杯準々決勝 日本・オーストラリア
               (7月21日ハノイ






PK戦。
テレビの前の日本中のファンから悲鳴が聞こえてきそうである。
見ていてこれほど胸が押しつぶされそうになる瞬間はない。


「鬼神のGK」川口は、3年経っても健在であった。
1本目、2本目と、敵のシュートを左右横っ飛びではね返した。
日本は中村俊輔、遠藤がそれぞれの持ち味を生かして成功した。
2対0。よしよし。


…ん?


待てよ…?。
この展開。
昨日書いた、3年前の準々決勝でのヨルダンとのPK戦。
日本はいきなり2連続失敗で2対0とリードされた。
立場は逆だが、これと全く同じ展開ではないか。
りードしても、なんかそれが気になった。


3本目は両チームとも成功して3対1。ここも同じだ。
そして4本目。4年前のヨルダンは、ここから乱れたんだ。
…そう思って見ていると、日本の高原が外してしまった。
うっ! 案の定…。
相手は入れたので、これで3対2になった。
なんということ。4本目まで、逆のまま、まるで同じ展開だ。


悪い予感が頭をよぎる。
オーストラリアは5本目もしっかり入れて3連続成功。
あぁ…
ここで日本が失敗したら、これは間違いなくヨルダンの二の舞だ。
日本5人目として出てきたのが中澤…
彼は、3年前、日本が3対3の同点に追いついた直後に失敗している。
あの、ピッチにへたり込んだ中澤の姿がちらつく。
手に汗握るシーンであったが、今度は中澤は見事に決めた。
その一撃がゴールネットを揺らしたとき、どっと疲労が出た。
日本はやっとの思いでベスト4への切符を手にした。
こんな試合、心臓に悪い。


あれほど攻めていたのに得点できない。
相手チームはレッドカードで10人に減った。
ピッチの中央はガラガラで、日本はボールを持ち放題。
なのに、両サイドに振ったりバックパスをしたり…。これって慎重?
パスはつながるがシュートにつながらない。これってパスの練習?
その緩慢な流れがオーストラリアを助ける。
相手が1人減った段階からPK戦頼みだったのはミエミエだ。
それを打破できないのは日本選手が中央突破に自信がないからだろう。
見ていてストレスばかり溜まる試合だった。


なんとかベスト4に進出した日本。
昨日のこの試合は審判の判定も日本側に有利だった。
前回の中国大会よりも、はるかに条件がいい。


ちょっと優勝の匂いがしてきたぞ。


次の準決勝戦は、25日午後10時過ぎから行われる。
今度またPK戦にでもなったら、終わるのは真夜中だ。
90分で勝ってくれ。たのむ。