2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

65 雨ニモ負ケズ…

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第65回 花巻は宮沢賢治のふるさとでもある 高村山荘のふところに抱かれての野宿。 そういえば、格好いいが…。 夜中に、雨が降った。人家から遠ざかった山林で、雨の中、たった一人でテントで夜を明かすのも、これが高村山荘で…

64 智恵子展望台

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第64回 高村山荘の裏手にある智恵子展望台に登り、夜はテントで あれが阿多多羅山、 あの光るのが阿武隈川。 高村光太郎の詩集。 特に「智恵子抄」は、十代の頃からの愛読書だった。 高村山荘の背後の小高い山へ登るのが、次の…

63 高村山荘

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第63回 詩人高村光太郎が晩年に一人で住んだ山荘へ、ペダルをこぐ 僕は、何の飾りっ気もない田園風景の中を、ひとり黙々と走る。 農村から山村へと景色が移ろい、やがて人家からも遠ざかって行く。 高村山荘は、山林の中にあっ…

62 啄木・賢治・光太郎

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第61回 啄木の渋民村を出て、盛岡、そして宮沢賢治・高村光太郎の花巻へ 8月7日。 青森方面へ行く水沢市の男性と、盛岡方面を目指す僕とは、方角が反対である。 僕が先に出発し、彼に見送られるかたちになった。 瞬間的な出…

61 啄木の碑に集まる人たち

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第61回 さまざまな一人旅をする人たちとの出会いがあった … 8月6日。まだ僕は岩手県の渋民村にいる。 渋民村の啄木の歌碑の前で、羽入さんを見送ったあと、 僕は、東屋に集まっていた何人かの観光客の輪の中に入った。 僕と…

60 北上川

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第60回 旅行中の多くの風景写真の中でも、この写真が特に好き 啄木のふるさと・渋民村から見た北上川の風景。 旅行中、何百枚と写真を撮ったけれども、 この写真は、特に好きな1枚だ。 きょうは、これだけです。 あしからず。…

59 啄木の碑と1通の手紙

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第59回 啄木のふるさと渋民村で出会った年配の男性と… やわらかに 柳あをめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに 啄木 渋民村が近づいてきた頃、前を走る自転車が気になっていた。 サイクリング用ではなく、普通の自転車に、…

58 一戸二戸三戸…

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第58回 八戸を出て、啄木のふるさとに向かう これは現在の地図です。 当時はもちろん、新幹線はありません。 8月6日。 ツカハラ時計店では2泊3日、お世話になった。 出発の時、ツカハラ家の人々は全員、写真撮影に快く応じ…

57 ウミネコの島

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第57回 「八戸名物」のウミネコを見るために蕪島へ 8月5日。 ツカハラ時計店の心地良い布団の上でぐっすり眠ったあとの朝、 一晩中降り続いた雨はまだ止んでおらず、僕は2階に与えられた部屋で、 午前中ずっと、地図を見た…

56 二十歳の原点

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第56回 1969年(昭和44年)とはどういう年であったのか… 1969年の8月5日。 僕はブログの中で、青森県八戸市にいる。 ツカハラ先生の実家の時計屋さんで、お世話になっている…。 そして現在は…といえば、38年後の2007年9月10…

55 ツカハラ家の人々

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第55回 八戸のツカハラ家を訪ねて行けば、親切なご家族に迎えられて 八戸のツカハラ先生の実家で。 先生のご両親、お兄さん夫婦、お姉さん夫婦、妹さん、弟さんたち。 こちらで2泊、お世話になった。 七夕祭りでにぎわう八戸…

54 僕が八戸に行く理由

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第54回 高校の教諭が僕に「八戸に行くならオレの実家へ!」と… 僕が通っている大学の隣に、附属高校の建物がある。 僕はその附属高校の卒業生でもあったので、 大学生になってからも、しょっちゅう附属高校の職員室に出入りし…

53 三沢高校と東京大学

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第53回 三沢高校の大田幸司ってすごいヤツ…だそうだ 僕は、自転車で旅行をしているわりには自転車のことを知らない。 自慢するわけではないが、パンクの修理もできないのである。 車も人も通らないような深々とした山中の悪路…

52 新宿の大将のこと

自転車の旅 〜 昭和44年 夏 〜 第52回 9日間いっしょに走った「大将」のこと 西島さん、という。 一緒に走っている大将の本名である。 年齢は、25歳だと聞いたような気がする。 もう少し、若かったかも知れない。 東京の新宿で、寮生活をしながら働いていた…