29 オホーツク海

自転車の旅  〜 昭和44年 夏 〜  第29回




人の姿はなく、牛が草を食む風景が続く









   
日本最北端の宗谷岬を後にして、オホーツクの沿岸を走る。
ほとんどが舗装のない地道である。
道には砂利が敷かれているところも多くあり、そこを無理して走っていくと、ズルッとタイヤを取られて転倒する。
1日に何度転んだことだろうか。
道によっては、自転車を降りて押さなければならないところもあった。


山の中に入ると、ほんとうに熊が出てきそうである。怖い。


猿払牧場の広さには、目を見張った。


浜頓別で、パンと缶詰などを買う。





  
 浜頓別駅のスタンプ。この頃にはまだ国鉄があった。
いま、オホーツク沿岸は、網走まで鉄道はない。





浜頓別を出ると、地図を見ていても、自分がどの辺を走っているのかよくわからない。地図にも地名が出てこないし、道に標識も出てこない。


夕方になり、枝幸町というところの少し手前だと思われるが、そのあたりで道の脇にテントを張った。長かったのか短かかったのか、何だかよくわからないような1日であった。




 
 道路を走っていても、人間の姿はめったに見かけない。牛ばかり目立つ。



  

  オホーツク海が広がる。



  

  変わらない風景。